読解は、速さそのものより構成が報われます。レベルごとにやることと、テストを延々と重ねなくても一度目の正答率を上げる、どこでも効く戦術をまとめます。

どのレベルでも効く原則

  • まず設問を読み、何を問われているかに下線を引く(誰・何・どこ・なぜ・どのように、または言い換えか主旨か)。
  • 決める:ざっと見る、探す、読む。
    • ざっと見る:要点と段落の役割をつかむ。
    • 探す:特定の数字、名前、時刻、用語を見つける。
    • 読む:推論や全体の理解が必要なとき。
  • 読みながら談話の合図と接続表現に印を(しかし、つまり、一方で、とはいえ、たとえば、結論として)。次に何が起きるかを教えてくれます。
  • 言い換えを見抜く:語の一致ではなく、同義語や言い直しを探す。
  • 設問ごとに時間を区切り、取りやすい点を確保して、詰まる前に進む。

N5〜N4

  • まず設問を読み、狙う情報に下線を(時刻、場所、好み)。
  • 短い文章は声に出して読み、助詞と動詞の語尾をつかむ。
  • 助詞(は、が、を、に、で、と)を丸で囲み、語尾に下線を。語を知らなくても意味を運んでくれます。
  • 掲示や時刻表は、まず探す:数字、日付、営業時間、禁止事項。
  • レベル別読み物と短い案内で体力をつけ、やさしい日本語の一文でまとめる。

N3

  • 段落の役割を素早くラベル付け:導入 → 詳細 → 対比 → 例 → 結論。
  • 答える前に、段落ごとに一文の要約を書く。
  • 紛らわしい文法を追う(〜わけだ/〜はずだ、〜ものの/〜けれども をN3の範囲で)。意味がどう変わるかを書きとめる。
  • ジャンルを替える(短いニュース、説明、意見)。応用が利くようになります。

N2〜N1

  • 設問をすべてざっと見て、点の密度で並べ替える(自分にとって1分あたりの得点が高いもの)。
  • 談話の合図を探し(しかし、つまり、一方で、とはいえ、要するに)、論理の動きを先読みする。
  • 構成を問う設問では文章を地図にする:背景 → 主張 → 根拠 → 反論 → 結論。
  • ぼんやりした選択肢には、極端なものや範囲外のものから外していく。

設問タイプ別の早見表

  • 主旨:導入と締めの行を読む。目を引く細部は無視。
  • 細部の検索:正確な場所を探す。記憶ではなく本文から答える。
  • 言い換え・同義:その文を見つけ、自分で言い直してから、いちばん近い選択肢を選ぶ。
  • 推論:手がかり2つ以上で確かめる。外の知識を足す選択肢は避ける。
  • 構成・役割:段落の役割にラベルを付け、合う働きを選ぶ。

1週間の計画(全レベル)

  • 3日:時間を計るミニセット(2〜4問)。誤りはその日のうちに見直す。
  • 2日:時間を計らずじっくり。間違えた設問の文を、やさしい日本語で書き直す。
  • 1日:自分のレベルか少し下で多読。タイマーなしで流れを楽しむ。
  • 1日:休むか軽い復習。レベル別読み物をめくる。

追う指標

  • 文章あたりの時間と正答率のバランス(時間は一定、正答率は上向きに)。
  • 1000字あたりの未知語(週を追って着実に減る)。
  • 要約の質:段落ごとに正しい一文。
  • 誤り記録の解消率:先週の誤りのうち、いま何割をその場で解けるか。

よくあるつまずき

  • 構成ではなく珍しい語を追いかける。論を運ぶのは接続表現です。
  • 段落の役割を地図にする前に答える。
  • 語の一致に頼りすぎる。JLPTは言い換えが大好きです。

Kanji Koiが読解で役立つところ

  • 読む前に部品でまとめた漢字を復習すると、認識の速さが上がります。
  • 適応型SRSが、コロケーションとよく出る熟語を手元に保ちます。
  • 案内つきの筆順が、探しているときの取り違えを減らします。
  • オフラインの学習で、移動中に短く仕込んでおけます。

Kanji Koiでは、読んだ文章から小さなフレーズ単位のカードを作りましょう(動詞+名詞のコロケーション、よく出る接続表現)。間隔を置いて再会するうちに、試験当日の言い換えの見抜きが上がります。

素材

  • 解説つきのJLPT公式サンプル問題
  • レベル別・音声つきの読み物
  • 頻度と働きで整理した接続表現の一覧

漢字の密度で速度が落ちるなら、読む前の10分の部品別復習が、速さと正確さをよく押し上げます。